ローマの哲学者、セネカの『人生の短さについて』の感想を書いています。
人生を浪費していないか、いちど振り返って見直してみるきっかけになる本です。
この記事の目次
セネカの『人生の短さについて』を読むきっかけ
最近、セネカの『人生の短さについて』という本を読みました。
裏表紙には下記のように本が紹介されています。
人生は浪費すれば短いが、過ごし方しだいで長くなると説く表題作。
(中略)
古代ローマの哲学者セネカが贈る“人生の処方箋”。
私は年々、時間が経つスピードが加速しているように感じています。
小学生の頃と比較すると、30代の今は3~4倍の速さで時が進んでいるような感覚があります。
40代、50代になったら更に加速しそう…
「思ったより人生って短いのかな?」と。
そこで時間の過ごし方について、2000年以上前の人の考え方から何か学べたらと思い、読み始めました。
セネカ『人生の短さについて』要点
『人生の短さについて』にはこんなことが書かれていました。
- 多忙な生活が人間から時間を奪い、人生を浪費・短くしてしまう。
- 人生が短く感じるのは、時間のムダ遣いをしているからである。
- 多忙な生活から離れ、時間を有効に使う方法を知ることによって、人生を長くすることができる。
セネカ『人生の短さについて』感想
『人生の短さについて』を読んで印象に残った部分についての感想です。
時間を浪費してしまう理由
時間を浪費してしまう理由についてです。
それは、「時間がお金やモノと違って形を持たず、目に見えないから」。
見えないからこそ、慎重に守らなければならないとセネカは言っています。
確かに、お金やモノは増えたり減ったりするのが簡単に確認できますが、時間は分かりにくいです。
人生という単位で考えた場合、普段生活をしていると時間はいくらでも無限にあるように感じます。
でも、その時間も有限であるということを忘れないようにしたいです。
人生を長くする時間の使い方
人生を長くする時間の使い方についてです。
それは、「過去と向き合う」ということです。
最近はわりと「過去は変えられないから、振り返っても時間の無駄。未来のことを考えるべき。」といった考え方のほうが主流のような気がします。
なので、過去と向き合う重要性の話は新鮮でした。
セネカは「過去こそ誰にも奪われず、永遠に所有できるもの」と言っています。
これは最終的には「過去の賢者・哲人から学べ」というところに行きつくのだと思います。
閑暇(かんか)とは
本の中には、「閑暇」(かんか)という言葉が繰り返し出てきます。
閑暇の意味を辞書で引くと、「することが何もないこと。ひま。」と出てきます。
ですがセネカの言う「閑暇」とは、一日中ボーっとしていたり、ダラダラ過ごすことではありません。
閑暇であるためには、自分の時間の中に自分の心が戻っていないとならない、とのこと。
自分のためになることをしている時間を指しています。
本の中では「こうするといいよ!」というような具体的な方法をいくつも提示しているわけではないので、自分で考える必要性がありそうです。
が、むしろその逆で多忙な生活から離れて閑暇の中に生きることの大切さを伝える内容でした。
セネカ「人生の短さについて」まとめ
以上、セネカの「人生の短さについて」を読んで考えたことについてでした。
自分の解釈はこれで合っているのかな?などと思いながら、もう一度読み返しています。
人生を浪費していないかを時々見直すためにも、手元に置いておきたい本です。